糸井 |
ではもうひとり、
質問を受けましょうか。 |
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学生なんですけど、
これから社会に出るにあたって、
お仕事をする上で、
こういう人となら面白い仕事ができるなとか、
どんな人と会って仕事がしたいなって
そういう人間性みたいな部分で、
どんな人を面白いと思っているのかなと
いうのを、糸井さんと大橋さんに、
お聞きしたいです。
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糸井 |
僕、友達が年上に多いタイプなんです。
本当にね、もうすぐ死ぬみたいなことを、
自分で平気で言える人たちと
普通に話してるときに、その人がだいたい
僕にいろんなことを聞いてくれるんですよ。
子供みたいに。
たとえば中日の落合っていう人は
どうして人気が出ないのかねえ(笑)。
そんな会話があったわけじゃないですけど、
たとえばね、で、
僕が答えている状況っていうのが結構あって、
「ああ!」って言ってくれるんですよ。
で、同じように僕はその人に対して、
これはどういうことなんですかね、と言うと、
それはあれじゃないですかねって
言うんですよ。
つまり両方とも一番地面のところで喋る。
それは全部面白いですね。
で、若い子と喋ってても同じなんで、
僕はその若い子に対して
言えることまでは言うし、
逆に聞きたいことがあれば聞くし、
っていうので、すっと平らになれる。
で、何かありげな人は、たとえば
カメラの話でもね、
自称カメラマンていう人とかと喋ってるとき、
つまんないのは、
糸井さん、それ、こうするといいんですよ、
てなこと言われると、
そういうことじゃないんだよ! って。 |
全員 |
(笑) |
糸井 |
俺はお前がカメラマンで生きてる、
このところよりももっと
こんなに高くて低いことを聞いてるんだよ!
って言いたいんです。
つまり、なまじの高さって
もううざったいんですよ。
一番低いものと一番高いものっていうのは
イコールなんですよ。だから素直に
ほんとに気持ちよく、
何も知らない人同士として喋ってるときは、
どんなにプロと喋っててもおもしろいですよ。
で、半端に知識のあるやつと喋ってるのは
もう全部つまんない。
若い子もゼロの子が全部面白いんです。 |
大橋 |
わかります。 |
糸井 |
そうですか、
で、大橋さんに渡します。 |
大橋 |
自分が何ができるかっていうこと。
若い人は、
勉強して来たから仕事ができると思っている
けれども、実際には
通用するとは言えないような
気がするんです。
だから今、おっしゃったみたいに、
そういうことはちょっと
横に置いておいて。その人の
人間的なもの、普通のところ。
仕事ができるできないとかっていうこととは
全然違う、たとえば、
おいしいご飯食べて、いい友達がいて、
それでお掃除ができてとか、
そういうごく普通のことがまじめにできる人、で
十分じゃないかなと思うんですね。
学校で習ってきて、
それが私にはとてもできるんだ、
と思っている人が多すぎ。
習って来たからできるから、
それを仕事としていきたいと
思ってる方が多いんです。けれども、
それは実はほとんど役にも立たないことが
多いんですよね。
こういうともうしわけないですけど(笑)。
それよりもその人の、普通のところ。
普通の生活ができるかというようなところが
やっぱり一番大事。
そうすれば逆に習ってきたものが、
しばらくしたら役に立っていくんじゃないかな
と思います。 |
糸井 |
最高にその通りです、
いや、今日の大橋さんが感謝していた
清水さんという人は、マガジンハウスの、
社長になられた清水達夫さん‥‥ですよね? |
大橋 |
あ、会長になられて、
でも、もうお亡くなりになられた。 |
糸井 |
先祖みたいな人ですよね。 |
大橋 |
創始者。 |
糸井 |
──ていう人なんですよ。
で、その人がヒントになってるんだけど、
何も言わなかったけど、
「いいね」って言って選んだでしょ。
お客さんと同じことをしたんですよ。
つまり、大橋さんの『平凡パンチ』の絵を
お客さんがいいねと思ったんです。
で、来週も見たいねって思ったんですよ。
で、その清水さんていう、一番偉い人も
大橋さんの絵を見て、
いいね、って思ったんです。
で、それが最大の仕事だったんです。
だからお客さんと
一番偉いさんだった清水さんという創始者は
同じことしてるわけで、
何もしてないとも言えるんですよ。
いいね、っていうのがちゃんと言える、
っていうのはものすごい大仕事なんです。
だからお客さんとして最高のお客さんは
すぐに何かになりますよね。多分。
安心してください。
ということで、終りにしましょう。
大橋さん、今日はどうも、ありがとうございました! |
大橋 |
いえいえ、こちらこそ、
本当にありがとうございました。 |
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(おわりです!) |
2007-02-14-WED |
協力=クリエイションギャラリーG8/ガーディアン・ガーデン |